2015年9月7日に「親父の小言ワークショップ」に参加してきました。
どんなワークショップかざっくり言うと、、、
- 35歳以上の男性が集まって
- 仕事人生の下山をテーマに考えて
- 自分に向けた親父の小言をつくる
こんなワークショップでした。詳細は主催者ページをご覧ください。
http://peatix.com/event/108255
ワークショップの振り返りとしてこの投稿にはこんなことを書いてみました。
- 私の参加目的
- 当日の流れ
- 私の作った親父の小言
- ワークショップで気付いたこと
- ワークショップ後に残った疑問
ではさっそく。
- 私の参加目的
申し込みした時の素直な気持ちは、「このご時世に35歳以上の男性限定イベントをやるとは、なんて挑戦的なんだ!行くっきゃない!」でした。笑
落ち着いて参加前に考えてみたところ、以下の2点について知りたいなと思いました。
「登頂はいつまで?頂上はどこ?」
「下山はいつから?下山口はどこ?」
今年で35歳の私は参加者の中では最若手です。定年を65歳とすると、仕事人生の1/4が終わり、残り3/4という現在地です。マラソンで言えば序盤の探り合いが終わってそろそろ誰かが先頭集団を抜け出していく頃合いでしょうか。(もちろん脱落していく人も。。。)
まだ下山を考えるには早い、と言うか下山のイメージが湧かないと言うのが正直なところです。
何よりまだ、自分の仕事人生のピークがいつになるのか(いつにしたいのか)、どこになるのか(どんな仕事で迎えるのか)、下山の前に登山のルートが決まっていないのです。決して悲観的なワケではなく、むしろまだまだどこに行くかわからない、どこまでだって行ける可能性があると思ってます。そういう意味では、「頂上を決めずに最後まで上る(下山しない)」ことが仕事人生の理想なのかなと考えています。でも最近は「どの山を上るか」もう少し考えた方が良いなとも思っています。
そんなモヤモヤをワークショップに参加される方々と考えてみたいと思ってました。
- 当日の流れ
どんな流れで進んだのか簡単に。まず初めに主催者の方からワークショップについての説明がありました。
「下山ではなく往生」
企画会議の中で、「下山」ではなく「往生」にキーワードに変えてワークショップを作ったとの解説でした。実際のワークショップは以下のステップで進みました。
「大往生→立往生→往生際」
最初は「往生?」と思いましたが、ワークを進めていて、今回のテーマについて考える上で、わかりやすい言葉だなと感じました。言葉の選び方は大切ですね。
ワークとしてはこんなことをやりました。
- 親父の大往生(理想のリタイヤ後)
- 親父の立往生(ああなりたくない)
- 親父の往生際(これは避けたい)
それぞれグループ内で書き出したり話したり、表にまとめて順位をつけたりしました。
- 私の作った親父の小言
ワークショップの成果物として、自分に向けた親父の小言を作りました。かなり迷ったのですが、この2つに決めました。
「生きてるうちに親父のことをよく見よう」
「山は探して登るもの、下山にはまだ早い」
今回のワークショップ中に印象に残ったところと関連付けてみました。(印象に残ったところについては後述)
小言はただ考えて発表するだけでなく、居酒屋のトイレに貼ってあるように、ふとしたタイミングで見返せるように各自カードを作りました。今回作った小言そのものよりもワークショップ自体に発見がありました。
<カードの作り方>
- 名刺サイズのカードに筆ペンで記入する
- 落款を押す
- ラミネート加工する
- 完成
「形にする体験」
「後で見返せるように形に残すこと」
これはワークショップそのものの体験をより良いものにすることと、事後フォローにも役立ってくるなと感じました。と言うことで、早速リフレクションナイトで実践してみました。その様子についてはこちらをご覧ください。http://ameblo.jp/reflectionight/entry-12085319395.html
- グループワークで気付いたこと
1. グループワークのメンバーの年齢
今回のテーマにおいては、グループメンバーの年齢構成はとても重要だったと感じました。私の参加したグループは60代、50代、30代、30代の4人でした。グループワークをやっているときのイメージとしては、30代メンバからベテランの方に問いを投げかけ、ベテランメンバお二人がそれぞれの視点で応え、その答に30代メンバが反応して自分なりの意見を伝える・・・のような進み方でした。ベテランのお二人のお話は、自分に経験のないことや、もしかしたらこれから自分に起こりうることだったので、新しい視点を持つことができました。これから自分にそういう場面が訪れたらどうするかな?と考えながら聞いていました。同年代の方のお話は、近い年齢でも仕事や人生に対しての考え方や向き合い方が違うんだなと言うことがわかり刺激を受けました。
もしこれが全員同年代だったり、40代までしかメンバにいなかったら、以下のような視点が出てきていたかどうかわからなかったなと思います。
2.会社での下山は突然、急降下
最初に私が気になっていた2つ、「登頂はいつまで?頂上はどこ?」「下山はいつから?下山口はどこ?」について質問したところ、返ってきた応えが、「会社での下山は突然起きるよ、そして急降下だよ」でした。一般的に大企業では、ある一定の年齢まで到達すると「役職定年」というものがあるそうです。恥ずかしながら、私はこの制度の名前を初めて聞きました。(そういう対応があること自体は知っていました)
イメージ的にはそれまで築いてきたものを剥奪されるような感覚のようです。いわゆるラインマネジメントではなく、部下を持たない専門職としての肩書に切り替わったりするようですが、たしかに「下山は突然、急降下」ですね。
グループメンバとの意見交換をしていて、仕事人生の下山(往生)を考えたときに、「定年=仕事人生の往生」と考えるのか、定年後の第二の人生を含めて仕事人生と捉えるのか、捉え方がそれぞれにあること、捉え方によって意見に違いが出てくることがわかりました。定年で一つの節目を迎え、定年後にまた別の山に登るようなケースもあれば、最初の就職から人生の終わりまでずっと連山を上ったり下ったりしているようなケースもあるのかなと思います。私のイメージは定年で終わりではなく、その後の人生も含めて自分のキャリアかなと思っていました。
私の作った小言の1つ、「山は探して登るもの、下山にはまだ早い」は、上り下りはあるものの、常に自分の山を探して登っていたいという、私自身の仕事人生のイメージを言葉にしてみました。いくつになっても下山ではなく上ることを考えていたいなと思います。
・・・ですが、周囲から「老害」扱いされるような存在にはなりたくないという意見には賛同します。これは本当に、そうなりたくないですね。。
3.年下上司の出現で変わる
どういうタイミングに仕事人生の転機があったのかを伺っていたところ、「年下上司の出現で変わる」とおっしゃっていたのが印象的でした。私自身、会社では年下のメンバが既に私より上の役職についているケースはあるものの、自分の直属の上司として年下の人についたことはありません。自分の仕事人生において、組織内でのあり方を考え直さなければならないタイミングになるのは間違いないなと思いました。若手管理職にとっても年上部下の出現するこのタイミングは自分自身を省みるきっかけになるなと思いました。
役職定年の話も絡んできますが、役職が上がっていくことを仕事人生の登山と捉えると、役職から外れることや、年下に追い越されることは、自分のキャリアにとって大きな転換期になると思いますが、役職が上がること=仕事人生のすべて、キャリアのすべてなのでしょうか?という疑問が湧いてきました。
4.親の死を境に変わる
仕事人生の転機と言うよりも、人生そのものの転機として、「親の死」をあげていらっしゃいました。私自身、自分の両親は健在なので、まだ実感のないことですが、グループメンバの方のお話を聞いていて印象的でした。
「お葬式や諸々の事後対応をしていたときに、自分の父親がとにかくたくさんの人と関わりを持っていたことを知って驚いた。特に地域など仕事以外の人との関わりがあることは生前には知らなかったため、何を大事に生きていたのか・・・自分の人生に照らし合わせて考えされられた。」
知っているようで意外と知らない、仕事人生の先輩としての自分の親。私の作った小言の1つ、「生きてるうちに親父のことをよく見よう」はこのお話から生まれました。
- ワークショップ後に残った疑問
そもそもこのワークショップのテーマとして「下山」と言う言葉が使われたように、仕事人生やキャリアは「上ること」が前提にあると思います。例:キャリアアップ、昇給、昇格など
「スキル=高めるもの」ですし、「給料=上げたいもの」だと思いますが、果たしてキャリアはどうでしょうか?キャリアアップと良く言いますが、本当にキャリアは高めるもの、上げるものなのでしょうか?
「キャリア=上るもの」と言うよりも、「キャリア=変えていくもの・選択していくもの」、キャリアアップではなく、キャリアチェンジもしくはキャリアチョイスのような捉え方で仕事人生を考えてみてはどうだろうか?と思いました。