今日は最近SNS上で見かけた、2018新卒採用の内定辞退率か6割超えた件について、自分なりに思ってることを書いてみます。
内定をたくさんとることも内定辞退することもそれ自体が悪いことじゃない
まず、就職する学生側からすると、自分の進む道の選択肢が増えると考えれば、内定をたくさん取ることは良いことです。内定をたくさんもらうことについて「自分のやりたいことが絞れてない」のような見方でネガティヴに捉えるのはちょっと違うなと感じます。
自分のやりたいことを絞り込めてない人が大半(絞り込めてる人もいるけど、その方がレアだと感じます)で、むしろ就活を通じて絞り込みをしていく人がたくさんいるのだとすれば、様々な可能性を考えるキッカケとして、たくさんの企業にアプローチして、内定をたくさん取ることはOKだと思ってます。
大事なのはどこに就職するか(どこを辞退するか)自分で考えて決めること
私が大事だなと思うのは、複数の内定先から、1社を選ぼうとしたときに【理由は何でも良いので、自分で悩んで考えて決めたかどうか】にあると思います。もちろんいろんな人からアドバイスをもらったり、情報を調べたりして良いですし、たくさん迷って悩んで良いです。でも最後に【ココに行くぞ!】と自分の意思で決めることが大事です。様々な角度から考えた理由であれば、理由は何でも良いです。「良い人がたくさんいる」「オフィスがきれい」「悩んだ結果最後は直感」のような理由でも良いので、企業の人事担当者にウケが良いかどうかは気にせずに自分で自信を持って言えればOKです。たくさん内定を取った結果、自分で決められなくなってしまっては本末転倒ですので、ここには気をつけた方が良いと思います。
入社後すぐに辞められるより入社前に辞退された方が良い
採用する企業側は、内定辞退防止に努めることになるわけですが、必要以上に囲い込み過ぎていないかな?と疑問に思うことがしばしばあります。
例えば入社後にすぐ辞めてしまう可能性が高そうな内定者だったとしたら、内定辞退してもらった方が良いと思っています。何を持って辞めてしまう可能性が高そうかを測るのは難しいですが、ひとつのポイントとしては、会社と本人とのマッチングにあると思います。
例えば「考え直した結果、あっちの方が自分に合うと思ったんで」みたいな辞退理由だったら(もちろん理由を詳しく聞いた上で)、むしろ自分の意思で自分に合うと思った方向に軌道修正できたことを応援してあげるくらいのスタンスで臨んで良いと思います。
内定辞退は新卒採用そのものを考え直すポイントを提供してくれている
内定辞退が出たときに「ヤバイ、繰り上げで内定を出して、内定数を確保しなきゃ・・・」と動くと思いますが、それだけではなく採用活動そのものを見直すチャンスにできるのではないでしょうか。私なりにはこんな観点で見直しができると思っています。
- どんな人を採用したいのか(自社に必要な人はどんな人なのか)
- 採用したい人を集められていたのか
- 採用したい人を選考できていたのか
- 採用したい人と自社の現状はマッチしているのか
- 採用したい人に自社は魅力的なのか
- 採用数を確保すること、自社によりマッチした人を採用すること、どちらが大事なのか
- 学生に対してどんな人を求めているのか、正しく伝えて理解してもらえているのか
- 学生に対してどんな会社・仕事なのか、正しく伝えて理解してもらえているのか
- 学生が悩んで考えて自分の意思で決めるために必要な情報と機会を提供できているのか
- 内定辞退されても良いと割り切るのか、本当に何とかしようとするのか
- 入社後に早期離職しても良いと割り切るのか、早期離職を防止しようとするのか
もっとそもそも論まで見直すこともできますが、この辺りの議論はできるんじゃないかなと思います。というか、して欲しいですね。
動機付けとしては就活をゲーム感覚で周りと競わせても良い
今回の記事を読んでいて、就活サイトで友達や他の学生との内定取得数を競わせる仕組みがあることを初めて知りました。(昔からあったのかな?)
ゲーム性を高めて学生をやる気にさせる手法と捉えてみれば、悪くないアプローチだなと思います。もちろんたくさん内定を取ることが目的・ゴールになってしまうのは上述のような自分の意思で決められない状況に繋がりやすくなるので要注意です。ゲーム感覚で楽しむだけで終わらせない仕掛けまで用意してあると良いですね。
内定辞退するか迷ってる学生に気をつけてほしいこと
- 期日を守って連絡する
- 悩んでることは早めに相談する
- 就職先を決めるのは人生の全てではなく一部
- 自分の意思で決めたことも後で変わっても良い
就活サイトならどこにでも書いてあると思いますが、とにかく期日を守って辞退連絡することは忘れずにいて欲しいです。
もし悩んで決められないのだとしたら、まずはその気持ちを正直に、できるだけ早い段階で伝えて欲しいです。人事の担当者にもよりますが、悩みを解消するためにサポートしてくれたり、一緒に考えてくれると思います。
「新卒採用で就職先を決めること=自分の人生の全てが決まる」わけではありません。人生の一部の時期に働くところが決まるだけです。転職したり複業したりすることで働くところが変わることもあれば、家族や趣味を大切に生きたりすることもあります。仮に就職した後で何か失敗したなと思うことが起きたとしても、やり直したり、次に進むことで自分の人生は作られていきます。真剣に悩んで考えて欲しいと思いますが、深刻にならないようにしてほしいです。
自分の意思で決めることが大事と書きましたが「自分で決断したことは後から変えてはならない」と思っている人が多いように思います。そんなことありません。社会の変化、会社の変化、家族の変化、自分の変化、様々な変化が起きる中で、自分をブラさずに貫き通すことも生き方の1つだと思います。でも私は、変化のある中で、その時々に悩んで考えて決断することを繰り返していくことも生き方の1つとして持っておくことが大事だと思います。どちらかだけではなく、ハイブリッドなのかなと思います。
採用は本業ではないのですが、密接に関わるところで見てきたので、いろいろ思うところがあるなあと、書いて見て改めて思いました。
素敵な明日を