泳ぐオダジン放送局

日々フラフラっと回遊しながら気づいたことをラジオでフリートークするようにお届けします。ラジオ好き、少年ジャンプ好き、ハンバーガー好き、ヒトが好き。※本ブログの内容は、私個人の考えです。所属する組織・団体とは関係ありません

新入社員に必要な切り替えは「学生→社会人」だけで良いのか?考えてミタ

2010年の新卒入社の新人研修から研修を担当しています。2015年4月には6回目の新入社員を受け入れることになるわけで、今はその準備の真っ最中です。そんな中、先日内定者研修を行いました。



その内定者研修でここ最近考えていた、ある疑問に向き合ってみました。



「新入社員に必要なのは学生から社会人への切り替えだけでいいのか?」

「IT企業の新入社員はITを使う側から作る側(担う側・サービスを提供する側)に切り替わらなくていいのか?」



どうしてこの疑問に至ったのか、ちょっと長くなりますが、振り返ってみました。



まずは2015年新人研修のことを考えてミタところから始まります。



新入社員研修の目的や目標の中にはきっとこんな言葉が並んでいると思います。

  • 社会人の意識へ切り替える
  • 主体的に、能動的に、積極的に
  • 教わるではなく学ぶ
  • 自分で調べる・考える
  • 自立、自走、自分で成長していく力

カリキュラムとしてはきっとこんな感じではないでしょうか。

  • 社会人基礎
  • ビジネスマナー
  • チームワーク
  • リーダーシップ
  • プレゼンテーション
  • 業務知識(IT企業であればITスキルやIT業界の知識)

こんな新入社員研修をやっていて、これまで目にしてきた光景をワンワードで言うと、、、



「1番受身になるのが業務知識(IT)の研修」



かく言う私も新入社員研修中のIT研修では講義を聞くばかりで時に眠気に勝てなかったこともありました。。(猛省)

そう言う自分の体験も踏まえて、講義中心のスタイルから、実習中心のスタイルに変えて、実機を触ったり、手を動かす時間を増やしてきました。

でもなぜか「受身」の新入社員が多い。。。

興味を持ったり、疑問を持ったり、自分から学ぼうとしたり、なかなかそうならないんですよね。もちろんガツガツやっている新人もいますが、割合で言うと1〜2割未満くらいでしょうか。中にはIT自体が嫌になる人も。。



社会人基礎やチームワークの研修などではイキイキと楽しそうにやる様子があるのに、、、



なんでやねん?と。



それと、新入社員が配属後に現場から言われること、、、

「ITのことはイチから教えてる(教え直してる)」

※実際新人研修で教えてることも配属されてから先輩に聞かれて「わかりません」と言うことも多いようです



さらに新入社員から2年目に入って言われること、、、

「新人研修(IT研修)を今もう1回受けたい」



もうホントになんでやねん?と。笑



でも、ここに疑問に至る最初のヒントがありました。



「配属後に教わったことは身に染みてる」

「仕事を経験した後には学ぶ必要性を感じている」



以前は「IT研修の前に仮配属して職場体験してから研修やったらどうだろ?」と考えてました。必要性を肌で感じて学ぶ気になってから研修した方が効果が高いだろうと。

それが出来たら理想だなと思う反面、研修自体をもっと工夫できたらなぁと思って悶々としてました。

2015年新人研修を考えていて行き着いた答えはこれでした。



「新人研修を研修としてではなく、仕事としてやったら良いんじゃないか」



これまでにも研修は仕事と言ってきましたが、やっていることはこちらが用意したカリキュラムに沿って過ごす研修でした。

今回新たに考えてみたのは、こんな感じの研修です。


  • 研修用の課題をクリアするのではなく、実際に職場の問題や自分たちの問題を解決する
  • 講師と受講生として接するだけではなく、新人と先輩社員・上司として接する中でOJTする

擬似的にではありますが、配属後に体験する状況を入社後の新人研修期間中に研修の中で体験できるように考えてみました。

ちなみにこのアイデアの源は「教えない研修」です。教えない研修のエッセンスを取り入れつつ、配属後のリアルを体験する研修に出来ないかなぁと思ってウネウネ考えていたら思いつきました。

はてさて、2015年新人研修はどうなることやら、楽しみ楽しみ。



こんな新人研修を企画した後に、内定者研修の企画を考えていたら、もう1度新人研修について考え始めてしまいました。



「新人はこのやり方なら本当に受身にならないのか?」

「興味や疑問を持って自分から学ぼうとするのか?」

「内定者研修から新人研修に上手く繋がるように何か工夫ができないか?」



まだ何かが足りないと感じました。そこで出てきたヒントがこれです。



「どうしてITに興味を持たないんだろう?」



もう少し補足すると、、、



「どうして子供の頃から日常的にITに触れる機会があったのに、ITの裏側(どうやって動いてるか、どうやって作られているか)に興味を持たないんだろう?」



ん、待てよ、、、



「子供の頃からインターネットやパソコン、携帯やスマホが当たり前にあって、意識せず・不便さを感じずに使うことが出来ている」



あ、、、もしかして、、、



「ITを利用しているだけだと、裏側を意識することって無いんじゃ・・・」



そうなってくると、まず必要なのは、、、



「ITを使う側から作る側への意識変革なんじゃないか!?」



こんな流れでこの疑問に辿り着きました。


実際に内定者研修では「自分で疑問に思ったITの裏側を調べてみる」ことを取り組みの1つとしてやってみました。

時間や機会を作って考えさせてみると、こちらがビックリするくらい、いろんなところに疑問を感じていることがわかりました。

「答え探し」をするのではなく「作る側の視点で」「疑問探し」を意識して調べさせてみると、次々と疑問が出て来て調べてを繰り返すことができることもわかりました。



ちょっとした手応えを感じました。新人研修期間中に、いかに意識をさせ続けるかがポイントになりそうです。



うーん、やっぱり新人研修楽しみだ。笑



明日は「今の新入社員にとってはITが当たり前」についてもうちょっと書いてみます。


今日はこの辺で、また明日。


※追記
結論に辿り着いたときにちょうど東大の中原淳さんのブログでこの記事を見つけて、やっぱりそうだと思わされました。

http://www.nakahara-lab.net/blog/i//post_2363.html