泳ぐオダジン放送局

日々フラフラっと回遊しながら気づいたことをラジオでフリートークするようにお届けします。ラジオ好き、少年ジャンプ好き、ハンバーガー好き、ヒトが好き。※本ブログの内容は、私個人の考えです。所属する組織・団体とは関係ありません

タニモク会を社内で実施するときの3つの肝(ポイント)

今日は社内の人たちを集めて実験的にタニモク会を実施してみました。おそらく社内研修や社内イベントとしてタニモク会を開催したいと思案中の人がいると思うので、今日はそんな人に向けて、私が実際にやってみてポイントになるなと思った3つのことを書いてみます。参考になれば幸いです。

1.社内タニモク会はメンバーの集め方とグループ分けが肝

タニモク会は本家のサイトに記載してあるように、効果を発揮するためには「誰とやるか」が大きなポイントです。

利害関係のない人同士で行う

この目標設定の営みは、お互いに仕事上での利害関係が存在しない者同士で行います。そのため、普段は職場の人に気を遣って話せない内容も気兼ねなく説明できます。同時に今後も直接絡んで仕事をするわけではないので、気楽にありのままの状況をシェアできるというのが、この方法の特長の1つです。

引用:https://mirai.doda.jp/theme/looking-back-planning/goal-set-by-others/

社内で実施する上では参加メンバーを集めるときと、集まった人のグループ分けを行うときに「社員同士なんだけど、出来るだけ初めましてな状況をつくる」ため、以下のような点を考慮する必要があります。

属性が偏らないように集める

  • いろんな部門の人を呼ぶ
  • いろんな仕事の人を呼ぶ
  • 幅広い年齢層の人を呼ぶ
  • 新卒・中途どちらも呼ぶ

接点のない少ない人同士組ませる

  • 初対面の人
  • 過去・現在の仕事上で絡みのない人
  • 別の組織の人
  • 違う年代の人

やってはいけないNGパターン

  • 上司部下(ちゃんと1on1やってもらいましょう)
  • 仕事上の先輩後輩(フラットにコミュニケーション取れる関係性ならばOKかも)
  • 仕事上で直接絡む人同士(同上)

社員数が少ない会社や、呼びかけても特定の人しか集まらない場合の奥の手は「社外の人を呼び込んでやる」です。守秘義務関連の問題がクリアできて、安心安全な場づくりのできる信頼のある人を呼べることが前提です。

2.対話の質を参加者に依存しないためのデザインが肝

私が参加したり主催する社外のイベントは、対話好きの人が多かったり、対話の場に慣れていたり、そもそもイベント参加のモチベーションが高かったりと、対話の質が自然に高くなりやすい状況にあることが多いです。

一方、社内で開催すると、対話が苦手だったり、初体験の人がいたり、強制参加させられていて参加のモチベーションの低い人がいたりと、対話の質がどうなるか読めない状況になることがあります。(普段から社内の対話が多い会社ではこの心配は不要ですかね)

タニモク会やワールドカフェのように、グループ対話を中心に行うイベントの目標達成は、全体のファシリテーションよりもグループ内のファシリテーションや、参加者の対話スキル(慣れ・経験も含む)に依存する部分が大きいです。研修やワークショップ、イベントをデザインすることが多い私としては、できるだけ参加者に依存しない形で、参加者の皆さんが設定した目標に到達できる状況を作りたいと考えています。

そのためには、以下をデザインしておくことをオススメします。

  • ルール
  • 進行
  • ワークシート

ルールのデザイン

本家のサイトにもいくつか記載されていますが、グループ対話の質を参加者依存しないためのルールを作ることをオススメします。参考までに今回私が作ったルールはこんなルールです。

近況を話す場面

  • これから〇〇しようと思っているのような発言はしなくてOK

質問する場面

  • 相手の状況を詳細化していく質問をする
  • 相手の思考や今後の方向性探る質問はできるだけ避ける

目標を書き出す場面

  • 相手にやらせたいこと=NG
  • 自分がその状況に立ったらどんなことを目標にするか=OK
  • 目標:1年後にどんな状態になっているかを書く
  • やること:目標達成に向けて取り組むことを書く

目標をシェアする場面

  • 「私が〇〇さんと入れ替わったら」を枕詞にする
  • 主語は私で語る

実際には口頭で、ルールの意図を説明し、特に質問の部分はいくつか例示をしています。

進行のデザイン

ルールを細かくすると冒頭で全て説明しても参加者は覚えきれないので、プロセスの切り替わりにルール説明の時間を設けました。

タニモク会は近況説明から目標シェアまでのプロセスをグルグルと回していく進め方のため、1周目(1人目)はかなり丁寧に説明します。

実際にやってもらっている様子を観察しておいて、2周目(2人目)の説明時にフィードバックします。例えば「先ほど〇〇のようなやりとりがありましたが、これはGOODですね/こういうやりとりは△△になるのでやめましょう」のような解説を入れつつ、再度ルールを説明します。

2周目を観察するときには同じポイントでルールを守れていないなと思ったら対話に支障が出ないようにその場でソッと指摘します。

3周目以降は「皆さんやり方について確認したいことありますか?」と投げかけて、特に質問がなければルールは説明せずに進行します。

ワークシートのデザイン

目標(どんな状態になっていたいか)を書かずに、やることばかり書いてしまう人が多数いました。

書き出した目標をシェアする場面で「私が〇〇さんと入れ替わったら」という枕詞で話し始めてくれない人も多数いました。

ルールとして提示してもやってもらえない場合は、ワークシートのようなツールを使うことでルールを守ってもらいやすい状態を作ります。ということで目標記入用のワークシートを作りました。

※A4用紙の上部に「私が        さんと入れ替わったら」と記載(空白部分に相手の名前を書いてもらいます)

※その下に以下を記載

「1年後に          の状態になっていることを目標にします」
「そのために          に取り組みます」
(空白部分を大きくして書き込めるようにします)

ちなみにこれは、ワークシートがなくてもルールを守れていた人の何人かが、白紙に上記3項目を書いていたのを見て思いつきました。

白紙に自由に書いてもらった方が発想も自由になりやすいかもしれません。ワークシートにすることで、型にハマったものになりやすくなるかもしれません。この辺りは頭で考えるだけでなく、実際にやってみて判断した方が良いと思います。

3.素振りが肝

タニモク会に限らず、なんでもそうですが、いきなり本番ではなく素振りをするのが大切です。私は前夜に社外の人向けに実施した結果を踏まえて、社内の人向けのアレンジを考えました。実際に今日、社内の人向けにやってみてアレンジした部分の結果を確認しつつ、さらなるアレンジを考え中です。

 

昨日今日で勘所は掴んだので、いつでもどこでもタニモク会をやりに行けます。必要あればお声掛けください!

 

素敵な明日を