泳ぐオダジン放送局

日々フラフラっと回遊しながら気づいたことをラジオでフリートークするようにお届けします。ラジオ好き、少年ジャンプ好き、ハンバーガー好き、ヒトが好き。※本ブログの内容は、私個人の考えです。所属する組織・団体とは関係ありません

M-1グランプリ審査員の言う「好み」が意味することを考えてみた

今日は先日のM-1グランプリについて書いてみます。と言っても、誰か特定の芸人さんを追いかけてるわけでもありませんので、今回の記事も芸人さんやそのネタについては書きません。書こうと思ったのは、番組を見ていたときに審査員の皆さんが「甲乙つけ難く、最後は好み」のような発言をされていたのが気になったので、そこについて書いてみます。なんだか、人事考課で評価をつける場面と繋がってみえてしまったので。。

M-1の審査員はどうやって点数をつけてるんだろう?想像してみた

ここから書いていることはあくまでも私の想像ですので、実際にどうやってるのかは全く知らずに書いてますのであしからず。(審査方法を暴きたいとか、そこに苦言したいわけでもありません)

審査員の皆さんのコメントから察するに、おそらく漫才を評価するときはこんなところを評価項目にしているのではないでしょうか。

大項目は準備・実演・成果の3項目

  • ネタ(台本自体の出来映えがどうだったか?)
  • パフォーマンス(台本の良さを実演できたか?)
  • 笑い(お客さんが笑ったかどうか?)

中項目は混み合ってそうだけど、おそらくこんなところがありそうかな

ネタ
  • スタイル
  • 題材
  • 全体の流れ(掴みからオチまで)
  • メインの笑い
  • サブの笑い
  • ボケ
  • ツッコミ
  • 掛け合い
  • 言葉・セリフ・フレーズ
パフォーマンス
  • 喋りのテンポ
  • 滑舌
  • 強弱
  • 緩急
  • 間の取り方
  • 動作
  • 表情
  • 服装
  • 集中力
  • アドリブ
  • 本人たちの熱量
笑い
  • お客さんの反応
  • 審査してる自分の反応

こんな観点で点数をつけてそうだなあ

  • 基礎力
  • 応用力
  • 独創性
  • チャレンジ精神
  • 新しさ
  • 奇抜さ
  • 裏切り
  • 運・偶然性

実際にどこまで細かく見てるかはわかりませんし、どこまで審査員全員で共通の指標や基準を持っているのかもわかりませんが、少なくとも【ネタ・パフォーマンス・笑い】の3項目で評価することは審査員全員の共通理解として採点しているのではないかなと、番組を見ていて感じます。

これってプレゼンテーションと同じだなあと思いました。プレゼンテーションの場合、成果は笑いではなく、相手の行動変容になりますが、準備して発表して相手が動くって意味では同じだなあと。

「審査してる方も真剣」は本当にその通りだと思う

実際にどんな風に点数をつけてるかわかりませんが、審査員の皆さんのコメントを聞く限りでは、上記したくらいの審査項目や得点をつける観点があると考えられます。あの短時間でこれだけの要素を考慮して、採点しているのは本当にスゴイことだと思います。

何しろ挑んでいる芸人の皆さんは売れたいし、お客さんに笑いを起こしたいし、そこに人生をかけているわけで、そんな真剣勝負に点数をつけるプレッシャーは半端ないものがあるはずです。M-1グランプリの結果でその後の人生に大きな影響を与えているケースもこれまでに見てきているので、生半可な気持ちではできません。

そして出てくる審査員の「好み」発言の違和感

いろんな項目や要素で審査する難しさや、それを真剣にやってることもわかった上で、時々審査員から聞こえてきた「好み」と言う発言にとても違和感がありました。

最後は好み(芸人さんやネタの好き嫌い)で決めるんなら、審査員じゃなくてお客さんの投票でいいじゃん!?と思ったわけです。7人の審査員の好みよりも、年齢や性別などの属性、どんのお笑いが好きかなどに出来るだけ偏りがないように1000くらい人を集めて「面白かったか・面白くなかったか」投票さてもらえば良いと思いました。(そうやって人を集めることが難しそうだけども・・・敗者復活は一般投票してますね。)

審査員はどうして「好み」と言ったのか、「好み」の意味するものとは何か

ではなぜ審査員が「好み」と言ったのかを考えてみました。そのヒントになったのは「誰が優勝してもおかしくない」「審査が難しい」のようなコメントです。

4094組の中で真剣勝負を勝ち抜いてきた10組

そもそと出演者たちの実力差はほとんどないものと思われます。それでも当日点差が開くのは以下のような理由にあると思われます。

  • ネタ選び(づくり)に失敗した
  • 本来のパフォーマンスが出せなかった
  • 会場のお客さん・審査員にハマらなかった(笑いが起きなかった)

 上述の審査の大項目の3つのどれか、もしくは複合的に大きな問題があると、点数が伸びなくなります。どこか明確な良さ・悪さがあって点差をつけられるのは楽なんだと思います。

もし本当に実力が拮抗していて、同点だった場合にどうするか?

例えばですが、こんな採点結果だったとします。

(数字は左から、ネタ:パフォーマンス:笑い)

  • コンビA  9:10:9 = 28点
  • コンビB  10:9:9 = 28点
  • コンビC  9:9:10 = 28点

まさに「誰が優勝してもおかしくない状況」です。探してもなかなか明確な点差がつかない中で、順位を決める大会の審査員として優劣・点差をつけなければいけないことを「難しい」と発言したんだろうなと思われます。

おそらくここで何とかして優劣・点差をつけるために出てくるのが「好み」なんだと思います。

「好み」=「漫才に対して何を重視しているか」

好みとは、単に「この芸人・芸風が好き・嫌い」とか「可愛がってるから」のようなものではなく、「重視しているポイント」なんだと考えてみました。

仮に審査員が3人いて、それぞれ漫才に対してこんなことを思っていたとします。

  • 審査員D  漫才はネタが命!
  • 審査員E  ネタが良くてもパフォーマンス悪かったらダメでしょ!
  • 審査員F  とにかく笑いが起きれば何でもいい!

この3人が上記の採点結果の例から優勝コンビを選ぶとすればこうなるはずです。

  • 審査員D  コンビB
  • 審査員E  コンビA
  • 審査員F  コンビC

点数をつけ直すとしたら、それぞれの好み(重視する項目)に対して加点する、もしくは好み以外(重視していない項目)を減点することになります。

審査員は人間なので、明快な基準をもとに採点したとしても、最後は自分なりにいろいろなことを考えてジャッジしていると思います。というか、そういうものであって良いと思います。

もちろん無責任で良いわけではなく「なぜこの点数だったのか?」と問われた時に、理由を説明できる必要があると思います。博多華丸大吉さんが、番組終了間際に1組優れていた点として「(とろサーモンは)掴みが早かった」とハッキリ答えたのはカッコよかったですね。甲乙つけられなくて最後にどこで判断したのか知りたかった人は出演者にも視聴者にも多かったと思うので、あの一言をオンエアにのせてくれたのは良かったなと思いました。(もちろん大吉さんの重視された掴みの早さに対して意義のある人もいると思いますが)

 

私は熱心なお笑いファンではないので、M-1グランプリも予選から見たり、直接会場まで見に行くことはしておらず、決勝戦をテレビ観戦するだけです。ちなみにお笑いを見て笑う時間は好きなので、落ち込んだときには過去のM-1グランプリや細かすぎて伝わらないモノマネの動画を見て笑ってます。今回は途中からこんなことを考えながら見ていて純粋に楽しめてなかったので、あとで見られるように録画を残しておきます。w

 

素敵な明日を