今日は珍しくネットニュースを眺めていたときに「芸人 矢部太郎さんが手塚治虫文化賞短編賞を受賞した」というニュースを見つけました。
口下手なカラテカ・矢部太郎の言葉に会場中が号泣! 手塚治虫賞贈呈式の受賞スピーチ全文(Book Bang) - Yahoo!ニュース
このスピーチ全文の内容も確かに良かったのですが、私が良いなと思ったのは、関連記事にあった漫画家の里中満智子さんの選評にあった以下のコメントです。
エッセイ漫画というのは、自分が体験したことや感じたことを描けばいいというものではありません。それならば、「何を体験したか」で決まってしまいます。ご自身が体験したことを、どう感じ、どう考え、どう伝えるか――この伝え方でエッセイ漫画の魅力は変わるのですが、矢部さんはそれについて、ものすごい才能がある、そしてなおかつ、実力もあります。
巨匠・里中満智子「『大家さん』ではなく『大家(たいか)』に」 カラテカ・矢部太郎『大家さんと僕』 手塚治虫文化賞選評全文 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
体験したことを、どう感じ、どう考え、どう伝えるか
これはエッセイ漫画の魅力だけでなく、ブログやレポート記事、感想文のようなものを書くときはもちろん、研修やワークショップなどでリフレクション(振り返り)の対話を行うときなどにも共通するなと思いました。
正解でもない、耳障りの良さでもない、自分の中から湧き出るもの
自分がどう感じたのか、自分がどう考えたのか、これは自分の中にしかなく、自分にしか生み出せないものです。まずはそこに気づけるように自分と向き合い、自分に素直になることが大切なのかなと。
自分と向き合い素直になるときには、自分に対して主観的になるだけでなく、自分を客観視(メタ認知)することの両方が必要と思います。
観察・洞察・関連付けの三段活用で感じて考える
体験→考えるまでのプロセスを自分はどんな風にやっているのか考えてみたところ、こんな三段階でやっていることに自分でも気づきました。
- 観察:目の前のことを注意深く見る(聴く、読む、触れる、味わう)
- 洞察:観察したことの見えない部分を見る
- 関連付け:自分の体験や知識との繋がりを探す
観察のポイント
目の前にはたくさんのことが起きているので、普通にしていると自分の欲しい情報や自分にとって気持ちいい情報だけを観察対象としがちです。観察するときに自分でフィルターをかけて除外しないようにして、自分にとって違和感を覚えるような情報も受け取るようにしています。
またそのときに自分の価値観や考え方にとらわれないように、できるだけニュートラルに情報を受け取るように意識しています。(と書きながら普段から常にそうしているかもなと)
洞察のポイント
洞察という言葉自体は「本質を見抜く」のような意味ですが、そんなにハードルを高くする感じではありません。私の中では「洞察は見えないところを見る」行為で、観察との違いを表すと【観察=事実】【洞察=解釈】のようなイメージです。解釈には自分の価値観や捉え方が出てきますが、出来るだけ多角的に見るように意識しています。
関連付けのポイント
観察したことや洞察したことが、自分の過去の体験や知識の中のどこかと繋がるんじゃないかなぁ〜・・・と考えながら、記憶領域にある情報を全件クロールするようなイメージです。
個人的にはこの関連付けがすごく大事だと思っています。例えば関連付けをしない人は「仕事のことは仕事からしか学べないと考えている人」と言い換えても良く、何気ないことから学んだりヒントを得たり、発想を広げられるようになるには、関連付けて考えることが重要だと思うからです。
関連付けるための体験や知識をたくさん(幅広く深く)持っておくこと、常に新しいものにアップデートしておくことも大事ですね。
素敵な明日を
連続投稿365日達成まで後12日!