泳ぐオダジン放送局

日々フラフラっと回遊しながら気づいたことをラジオでフリートークするようにお届けします。ラジオ好き、少年ジャンプ好き、ハンバーガー好き、ヒトが好き。※本ブログの内容は、私個人の考えです。所属する組織・団体とは関係ありません

一人前をゴールベースで定義して、スモールステップで組織的に育成している美容室の話

今日は誕生日でした。朝起きてすぐに家族からプレゼントをもらい、Facebookでもたくさんの人からコメントやいいねをもらい、嬉しい気持ちでいっぱいです。そしてもうひとつとても嬉しいことがありました。

祝スタイリストデビュー

私、通っている美容室で、いろんなスタイリストさんにカットしてもらう、スタイリスト全員制覇キャンペーンを勝手に実施しています。

私がこのキャンペーンを始めた頃に、シャンプーを担当してもらってから、何度か指名でシャンプーをお願いしたことのある方が、スタイリストとしてデビューしたと前回訪問時に聞いたので、今回はご指名でお願いしました。

2,3ヶ月に1回行くだけの私がこんな風に思うのはおこがましいなと思いますが、なんだか「巣立つ雛鳥を見守る親鳥の心境(by スラムダンク 合宿シュート編の花道軍団)」なのです。デビューおめでとうございます。(^^)

ちなみに私の通う美容室はシャンプーが特徴です。どなたにやってもらっても気持ちが良いのですが、これまでに2人、「私の好みに合う気持ちの良いシャンプー」と思った人がいて、シャンプー担当を指名でお願いしたことがあります。

若さはハンデではない。

そんなシャンプーご指名させてもらっていた方にカットしてもらいながら、スタイリストデビューしてからのお話をいろいろと伺ってみました。いつも他のスタイリストさんにも聞いている髪の毛を切る技術の話は勿論ですが、それ以上にスタイリストとしての姿勢、あり方についてのお話を聞いて頼もしさを感じました。要約するとこんな感じです。

  • 若さはハンデではない
  • 知識と技術を身につける努力をしてきた
  • 目の前のお客さんに向き合うのは若手もベテランも同じ
  • これからも努力し続けることが大事

この話をしている時、スタイリストとしてお客様の前に立つ「自信と覚悟」を持って臨んでいるように、私には見えました。プロの姿ですね。

若さをハンデにさせてしまうものは何か

多くの仕事において、年齢的に「若い」ことに対して、若いから経験不足、半人前、任せても平気なの?みたいなネガティブな先入観があるように思います。若い人自身も自分は若いからと謙り過ぎるところもあるよなと思います。

ここには理由が3つあるように思います。

  1. 時間が短い=準備が足りない
  2. 熟達するには時間がかかるものという思い込み
  3. 一人前の定義が不明確
1. 時間が短い=準備が足りない→限られた時間の中で最大限の準備をする

「若さ=時間の短さ」を補うためには、本人の努力と、会社や組織であれば周囲の適切な関わり(育成の仕組み、研修、OJT)が必要です。

私の通う美容室では入社してからスタイリストになるまで、スモールステップで育成していく仕組みが確立しています。

  • 段階的に技術を教わる
  • 日々の練習や勉強の機会
  • 先輩の仕事ぶりを見て学ぶ
  • 社内試験による到達レベルの確認とフィードバック
  • 段階的なデビュー
  • 次の段階の技術の習得へ

美容師業界は専門学校で一定の基礎を身につけてから入社するので、特に育成期間もなくお客様の前に立ち始めることもあるようですし、どちらかと言えば見て盗む(学ぶ)・自己研鑽によって技術を磨いていく世界なのかなと思っていました。

おそらく職人の世界はこういう風習は多いでしょうし、一般企業でも育成しているようで育成できていない企業は多いのではないでしょうか。

2. 熟達するには時間がかかるという思い込み→熟達にかかる時間は短縮できる

実体験などから「一人前になるためには10年かかるもの」「オレは10年かかったんだから、オマエも10年かけて頑張れ」のような思い込みを持つ人が多いように思います。

初めてのことに挑むとき、勝手がわからないために時間がかかること、試行錯誤によってやり方を確立しながら取り組むために時間がかかること、これはアリだと思います。(これを短縮する方法もありますが、今回は触れないでおきます)

でも、多くの企業や組織では、人を育てるのは初めてではなく、過去に何回も何人も人を育ててきているはずです。毎年毎年やっているのに、いつまで経っても一人前になるのに10年かかり続けているとしたら、そこに先人の知恵は活かされているのでしょうか?

「一人前になる期間がどんどん短縮されてこそ組織だ。」と誰かに言われたことがあります。誰だったんだろう、忘れてしまってごめんなさい。でも私の心に強く響いて今も残っています。

ちなみに通っている美容室では、以前よりもデビュー期間が早くなっているそうです。今度あらためて聞いてみよう。

そして自分も育て方やノウハウやナレッジをアップデートしていかねば!

3. 一人前の定義が不明確→何がどこまでできるようになれば良いのか定義する、見直す

「一人前」という言葉、今回は私の通う美容室でのスタイリストデビューのタイミングを意味する言葉として使っています。

通っている美容室では何がどこまでできるようになればデビューできるのかが決まっており、到達しているかチェックするための試験があります。試験をパスすることで次の段階に進み、また次の試験を受けて、と、スモールステップでレベルアップしていきます。

これはつまり「ゴールベース」で育成の仕組みが確立されていることを意味しています。ゴールベースは、到達目標を明確にし、目標到達に必要な要素を分解し、要素をひとつひとつ学習していく手法です。

「新人が一人前になるのに3年かかる」のようなことを私も以前よく言ってましたが、この【一人前】とは具体的にどんな状態なのか、その状態になるために必要な要素はなんなのか、企業の人材育成の現場では、ゴールが明確になっていないケースがとても多いです。

いわゆるサラリーマンだろうが、職人だろうが、プロフェッショナルの道を探求していくことに終わりはないと思います。でも、「ここまで来たら一人前」を定義することは可能です。

そしてこの定義は外部環境や内部環境によって変化することもあるため、常に見直してアップデートする必要があります。デビュー期間が早くなった理由はここにもあるのかなと想像しています。

達成感は自信と次へのエネルギー

「まだまだプロとしての探求は続くけれども、ここまでひとつひとつのステップを乗り越えて、ひとまず人前に出てお金をもらって髪の毛を切ることが出来るところまで自分は辿り着いたのだ」こんな風に言葉にするのは簡単ですが、ご本人はたくさんの時間をかけて、努力して、工夫して、教わって、悩んで考えて、ここまで来たのだと思います。そうして辿り着いたからこそ、スタイリストデビューという節目がひとつの通過点であっても、自分の仕事に自信を持って臨めているのだろうなあと思いました。

 

  1. 何をどこまで出来るようになるのか決める
  2. 出来るようになるために何をやるか決めて実行する
  3. 実際に出来るようになったか確認する
  4. 出来なかったら振り返ってどうすれば出来るようになるか考える(2へ)
  5. 出来るようになったら次の1を考える(1へ)

この繰り返しを進める上で、組織としてどんなサポートやフォローができるのかを考えて実行することが大切です。なぜなら出来るようになってこそ、自信と次へのエネルギーになりますからね。

 

熱くなって長々と書いてしまいました。

どんだけ嬉しかったんだ自分。w

 

あらためて、デビューおめでとうございます!

 

素敵な明日を

 

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