職場で誇りを持って働くために必要なことを考えてみた
今日はイベント「幸せに働く技術〜社員が、自分の仕事に"誇り"を取り戻す方法〜」に行ってきました。
「幸せに働く技術」とは?
エール株式会社が主催している幸せに働くことを考えるイベントです。そのまんま過ぎる。w 詳しくはこちらを!
【YeLL/幸せに働く技術】各界リーダーと語り合う、新時代の働き方を考える対話イベント | Peatix
なぜ参加しようと思ったのか?
エールの皆さんとは仕事上の繋がり1/3、友人・知人経由での繋がり1/3、クラウドサポーターでの繋がり1/3のような関係です。
※クラウドサポーターに関してはこちらをどうぞ
【エール株式会社】HR Tech GP2018ファイナリスト紹介
イベントの案内を受けて、私が参加しようと思ったのは「東京電力の社員から、2011.3.11とその後について生々しい話を聞ける」と知ったからです。
イベントページにも書いてありましたが「ここでしか聞けない話」だと私も思って参加を決めました。
イベントそのものは普遍的なテーマでも、そこで聞ける話(人)に希少性がある(かつテーマと関連する)と言うのはイベント企画として大事ですね。
なんでプレゼンテーターの話を聞きたいと思ったのか?
2011.3.11は第一子の長男が生まれて5日目、ちょうど退院の日でした。自分の家族のことで精一杯だった私は、地震当日の夜に流れてくるニュース映像を見ながら、「このままニュース映像を見ていたら自分の気持ちを持っていかれてしまう(飲み込まれてしまうような感覚でした)、目の前の家族に意識を向けなければ!」と思ってテレビを消し、その後も最低限の情報しか見ないようにしました。
当時のその選択は間違っていなかったと思っていますが、年月が経ってみて、震災のことに触れないままで良いのかなと思う自分もどこかに薄っすらといました。
ちょうどこのイベントの案内と同じ頃に、毎日ブログ仲間の高橋さんのブログを読んで、「これは自分も現地に行ったり当事者の話を聞いた方がいいな」と気持ちが動いたことが、今回のプレゼンを聞きに行こうと思ったきっかけでした。
フルーツポンチでは動けない 〜東京電力社員の方に訊く、震災の物語 前編〜 - ギブギブン
極限での対話と交渉 〜東京電力社員の方に訊く、震災の物語 後編〜 - ギブギブン
プレゼンテーションを聞いてみてどうだった?
生々しかった、リアルだったというのが率直な感想でした。
ニュースやメディアなどで字面で読んだり、映像で見たり、情報としては知っていたこともありました。
そのような知っていたことも、当事者である本人の口から、本人の言葉で直接聴くと、伝わり方の面では何倍もの差があるなと痛感しました。
言葉には質量はありませんが、当事者の話には言葉の重みを感じます。
最初は話の内容をメモしながら聞いていたのですが、次第にこれはメモするよりも聴くことに100%集中しないと、この重みをちゃんと受けとめられないぞと思って自然にメモする手が止まりました。
プレゼンテーションで印象的だった言葉は?
プレゼンテーターの佐藤さんが話し始めにこんなことをおっしゃっていました。
「3.11の話をプレゼンしてみて今の自分を支えていることがわかった」
これは今回のイベントのキーだったなと言うことを後半の対話の中で感じることになります。
もうひとつ私にとって印象的だったのはこの言葉でした。
「やった気になっていないか?」
前後の文脈がないと伝わりにくいと思いますが、私なりの解釈としては「全部救うことは無理かもしれないけど、目に見える範囲を救えたことで満足してはいけない」「慢心せず謙虚でいること」なのかなと思いました。
職場で誇りを持って働くために必要なことを参加者同士で考える
イベント後半は参加者同士の対話の時間でした。ワールドカフェ風の対話(自分が一緒に対話したグループの話)から見えてきた、幸せに働く技術を私なりに整理してみます。
(※イベントではこのテーマについて何か結論を出すために対話をしていませんし、以下に記載したことはあくまで私なりに対話をしてみて思ったこと考えたことを整理したものです。)
前提として以下のように言葉を定義します。
- 幸せに働く:誇りを持って働いている状態、自分の仕事に誇りを感じられる状態(今回のテーマ)
- 技術:目的を達成するための手段、方法
自分の好きなこと、大事なこと、やりがいをわかっている(self awareness:自己理解)
例えばこんなことです。
- 〇〇な仕事が好き、会社の〇〇が好きなど
- 働く上で(生きる上で)仲間が大事、人が大事、感謝が大事、価値が大事など
- 誰かの役に立つことにやりがいを感じる、社会的なインパクトにやりがいを感じるなど
なぜこのようなことをわかっている必要があると考えたかと言うと、3回の対話で提示された問いの中にあった「自分支えるもの」「深い意義」「誇り」と3つの言葉について語ったときに共通して出てきたことだったからです。
自分がどういうときに・どういうことに幸せ(誇り)を感じるのか?これを自分で理解できていなければ、「今、自分が幸せである」ということに気づくことが難しくなってしまうのだよなと気づきました。
イベントの最後にエールの櫻井さんが「self awareness:自己理解」に触れていましたが、自己理解することは幸せに働く技術として必要だと感じました。
自分の好きなこと、大事なこと、やりがいについて考える・誰かと話すこと
対話していたメンバーとは「自分のことだけど、改めて聞かれると難しいよね」「普段こういう話をする機会がないよね」というやりとりが多かったです。
それでも対話の中で出てきた、自分のことを改めて考えたり話した数少ない機会にはこのようなものがありました。
- メンタルダウン
- 近しい人の死
- 会社の解散
自分の内面に大きな揺らぎが起きて、自分の軸がなくなってしまうような状況になると、そこから立ち上がって行く過程で「自分の大事にしていることや、好きなこと、やりがいに改めて目を向けて考え、誰かに話すこと」が起きるようです。(私自身も経験があります)
このような機会は誰にでも起きることではありませんし、起きたら誰もが立ち上がってこれるかと言われると残念ですがそうでもありません。
つまり「幸せに働くため(自分の誇りに気づくため)には挫折のような大きなショックを経験することが必要」では技術としては不完全と言えます。
挫折体験をしなくても、「日常的に自分の大事にしていることや好きなこと、やりがいなどについて考え、誰かと話す機会を作ること」が、幸せに働く技術として必要だと感じました。
ここで思い出すのが、プレゼンテーター佐藤さんの言葉です。
「3.11の話をプレゼンしてみて今の自分を支えていることがわかった」
自分の頭で考えることも大事ですが、考えるだけで終わらずに、誰かに話してみる、声に出して言語化してみると、自分で自分のことをどう思っていたのかがわかってくる(メタ認知)のだと思います。
私は社内研修の中の対話の時間で、社員の皆さんに自分の価値観や考え方について話してもらう機会を作るようにしています。話すだけでなく、相手の話を聞くことで「あ、そういうのも確かにあるかもな」「自分はどうだろうな?」と考えるキッカケになることを期待しています。
がしかし、研修は1人の人にとって年に数回あるかないかの機会です。もっと頻度を上げるには、チームミーティング、上司との1on1などの機会を活用したり、今回のイベントのように外部に機会を求めて外に出るのが良いと思います。7月までやっていたピア・メンタリングはど真ん中ですね。
12回やってわかったこと〜ピア・メンタリング12回目〜 - 泳ぐオダジン放送局
会社のミッション・ビジョン・バリューに共感する
「職場で」誇りを持って働くためには、会社に誇りを持つまで行かなくても、会社の理念などに共感できている必要があるのではないかなと感じました。
どれだけ自分が大事にしていること・好きなことをやれていて、やりがいがあったとしても、会社の理念などに全く共感できていない状態だったとしたら、職場で働くことに誇りを持てるでしょうか?
もしかしたら自分が良ければそれで良い!と思う人もいるかもしれませんが、私は会社に共感できていなかったら息苦しくてシンドイなと感じてしまいます。
この話題の中で興味深かったのは、顧客に対してサービスを提供している人たち(営業や自社製品を作ったり提供している人など)の方が会社の理念などに共感しやすく、直接サービスを提供していない人たち(人事などのコーポレート部門)は共感しにくいのではないか?という指摘でした。
例えば営業はお客様に向けて会社のことをプレゼンする機会があります。前述の、話すことで理解していくプロセスを仕事で実践していることになり、自然と会社の理念などに対して自覚していきます。また、自社のサービスそのものや、サービスを生み出し提供する活動には理念などが色濃く反映されていることがほとんどだからです。
私は幸いにも仕事上で社長や経営陣と関わる機会が多く、たくさん話を聞きましたし、よくわからないところは突っ込んで聞いたりもしたので、気づいたら身体に染み付いていた感じでした。
全社員が社長や経営陣と仕事を共に経験することは難しいですが、会社として一方通行にならないような発信の仕方、浸透のさせ方を考えて実行していくことも職場で誇りを持って働く上で必要だなと思いました。
素敵な明日を
※日々こうして自分について考えてブログを書けることに改めて幸せを感じて。