泳ぐオダジン放送局

日々フラフラっと回遊しながら気づいたことをラジオでフリートークするようにお届けします。ラジオ好き、少年ジャンプ好き、ハンバーガー好き、ヒトが好き。※本ブログの内容は、私個人の考えです。所属する組織・団体とは関係ありません

タニモク会を実施する人、参加する人に知っておいて欲しいこと

今日はタニモク会を自分で開催してみました。先日タニモク会に参加したときにfacebookで「参加してみたい」とコメントをいただいた方に呼びかけて、集まった8人と一緒にやりました。タニモク会の本家、未来を変えるプロジェクトの編集長も参加者として来てくださったので良い緊張感で取り組むことができました。

私がタニモク会のやり方でアレンジしたこと

タニモク会のやり方は未来を変えるプロジェクトに詳細が書いてありますが、先日参加してみて自分なりに工夫したいなと思った以下の点についてアレンジしてみました。

  1. 他人と入れ替わるを強く意識させること
  2. 近況を表す絵は当日その場で短時間で書くこと
  3. 近況を確認する対話のルールを提示すること
  4. 1人目2人目までは各プロセスのやり方を丁寧に説明すること
  5. リフレクションの問いかけを用意すること

参加者のアンケートや本家の方から事後にいただいたコメントから、概ねアレンジは成功だったなと感じました。気になったのは以下のコメントでした。

  • 近況確認の質問でWhyを禁止されたのは難しかった
  • ソリューション提案が多くなりがちだった

この2点はタニモク会が各所で実施されていった時に、おそらく必ず出てくるであろうポイントであり、企画者・実施者・参加者がどう捉えていくべきか迷うポイントになると思うので、私なりの考えを書いておきます。

コーチングやキャリアコンサルティングとタニモクの違い

「近況確認の質問でWhyを禁止されたのは難しかった」とコメントをくださったのは普段の仕事でコーチングやキャリアコンサルティングをされている方からでした。私もキャリアコンサルタントの端くれとして勉強中の身なので私なりの見解を書いてみます。大きな違いは以下の点にあると考えます。

相手が考えるのか、自分が考えるのか

コーチングやキャリアコンサルティングでは相談者の自立支援が根底にあり、相談者が自分で考え自分の中にある答えに辿り着くようにアプローチします。そのため、対話中には相手の状況を詳細化することよりも、相手の思考や感情を聞いていくことが多くなるため、必然的にWhyを使った質問が多くなります。(例えば、どんなことを考えているのか、どう思っているのか、なぜそう考えているのか、なぜそう思っているのか、など)

このような質問のやりとりから、普段の自分にとって無意識だったことを顕在化させて自分の中にあるものに気づいてもらったり、普段は考えないことを考えるキッカケにしてもらったりします。

タニモクの醍醐味のひとつは自分では思いつかないような目標が出てくるところにあります。そのためには近況を話してくれた相手にこれからどうするかを考えてもらうのではなく、「相手と入れ替わって、相手の状況に自分が立ったら、自分は何を目標にするか自分の視点で考える」ことがポイントです。

また、目標を考える楽しさを味わうことができるのもタニモクの醍醐味のひとつです。これを体感するためには、「相手と入れ替わるという非現実的な状況を活用して、良い意味で無責任に目標を考える」ことがポイントです。

普段の仕事でコーチングやキャリアコンサルティングを実施されている人が参加者に多い場合、自身が参加者としてタニモクに参加する場合、「相手が考えるのではなく自分が考える」という違いを意識しておくことがタニモクを楽しむ上で重要です。

ソリューション提案とタニモクの違い

「ソリューション提案が多くなりがちだった」については、仕事上でお客様相手に課題解決や業務改善を担当することが多い人にとって起こりやすいようです。なぜ起こりやすいのか私なりの見解です。

相手視点で考えるのか、自分視点で考えるのか

ソリューション提案が相手の欲しいものを推測し、欲しいものを上回るものを提案し、実現するための具体策を提供することだとすると、タニモクと似ているように感じますが、大きく違うのは「相手・自分」どちらの視点で目標を考えているかどうかです。ソリューション提案は相手にとってメリットになる、価値があると思われることでなければビジネスとして成立しないため、相手視点で考えることが必須だと思います。(ソリューション提案でも客観的な視点も必要だと思いますが)

タニモクの醍醐味は前述の通り、自分では思いつかない目標が出てくることにあるので、近況を話してくれた人の視点に立って目標を考えるのではなく、自分視点で目標を考えることがポイントです。

また目標を考える楽しさを味わうためには仕事の延長線でソリューション提案っぽくやってしまうと難しいと思われます。

タニモクの三つ目の醍醐味として「自分の背中を後押ししてもらえる」という点がありますが、この点についてはソリューション提案タイプで提示された方が合致しやすいかもしれませんが、この場合のポイントは受け取る相手がタニモク会でソリューション提案を求めているかどうかにあると思います。

タニモクを実施する目的・目標は何か

誤解ないように書いておきますが、コーチングやキャリアコンサルティング、ソリューション提案が悪いわけではありません。タニモク会の中で、コーチングやキャリアコンサルティング、ソリューション提案のようなアプローチで目標を立ててもらった結果、タニモクの醍醐味を味わうことができることもあると思います。もしくはタニモクの効果以上に、より具体的な自分の今後の目標や取り組むべきことが見つかる可能性もあると思います。それはそれで結果オーライと言えます。

それでもあえて私がこんなことを書いたのは、タニモク会はあくまで手段なので、どんな目的・目標を達成するためにタニモク会という手段を活用するのか?特に企業内の研修として取り入れようと思っている企画者・実施者の人には、実施前に一度考えて欲しいと思ったからです。

タニモク会は構造的にもシンプルですし、進め方やルールが明確なのでファシリテーターの力量にあまり左右されずに実施することが可能です。(中盤から後半はタイムキープする程度)また、普段話す機会のない人と話をすることはそれ自体が楽しかったと感じてもらいやすいので、集客とグループ分けと時間配分で大間違いしなければ満足感も得やすいと思います。だからこそ「とりあえずやってみてそこから考えるのもあり」だと思います。実際、私がまさにそうなので。

私が社内でタニモク会を実験する目的と目標

明日、社内の人を集めてタニモク会を実験的にやります。私が社内にタニモク会を導入してはどうかなと思ったのはザックリ言うと、「目標を立てて取り組んで行くことを楽しんで(前向きに捉えて)もらいたいから」です。
なので、私が実施するタニモク会の目標は「参加者の皆さんにはタニモク会の醍醐味をしっかり味わってもらうこと」としました。それ故に、上述のような対話のルールを決めて実施してみました。

 

ご参加いただいた皆さま、編集長、どうもありがとうございました。

 

素敵な明日を